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“history in art” pop up show at MKG

2017年2月4日(土) - 3月4日(土)

MAHO KUBOTA GALLERYでは、2017年2月4日(土)より現代アートのスタディ・コレクティブである「history in art」を迎え、その研究成果を紹介する展覧会を開催いたします。公に文字にされたり語られることのなかった歴史の側面に光をあて、様々な実践を通し展覧会形式にて発表いたします。

history in artはアーティストや批評家のほか、様々な形でアートに関わるメンバーによるスタディ・コレクティブです。“history in art” という名称はドイツの歴史学者アライダ・アスマン (Aleida Assmann, b.1947-) の著書『記憶のなかの歴史』に由来します。2013年にこのテキストの読書会を開催したことをきっかけに、グループの活動が始まりました。
アスマンは『記憶のなかの歴史』の中で、記憶、経験、口頭での語りなど、揺らぎやすく形に残らないものに歴史を見出そうとします。一家団欒の場において父親が激しい口調で戦争について語る時に家庭内に漂う不穏な空気、あるいは、キリストの生誕やナポレオンの遠征といった歴史の有名な一場面を歴史劇として演じる時の経験そのものなど、これまでに史料とさえ考えられてこなかったものを歴史として捉えました。

アスマンのテキストを出発点として以来、history in artではアートの作品はもちろん様々な事象を取り上げて歴史の捉え方について多角的に考えてきました。史料から過去の出来事を想像し、創造するという従来の歴史学が採ってきた方法とは異なるアプローチを参照し、経験していないものや知りえない出来事をどのように考えることができるのか、あるいは、どのように捉えれば考えやすくなるのかを模索しています。また、グループでの読書会や討議といった活動のほか、アーティストや批評家として活動するメンバーそれぞれも作品やテキストの発表、プロジェクトや展覧会の企画など、各々の活動の中で実践を重ねています。今回の展覧会では、個人の活動を中心に取り上げます。

history in art
2013年に杉田敦らの呼びかけで集まったスタディ・コレクティブ。ドイツの歴史学者アライダ・アスマンのテキストの読書会として始まり、グループ内でのディスカッションやスクリーニングなどをおこなってきた。今回の展覧会ではグループの有志が集まる。

展覧会参加メンバー:粟田大輔(批評家)、飯山由貴(アーティスト)、井上文雄(オーガナイザー)、遠藤麻衣(アーティスト、俳優)、杉田敦(批評家)、高橋夏菜(キュレーター)、湯浅千紘(アーティスト)、良知暁(アーティスト)

協力
TARO NASU、WAITINGROOM、大谷芳久、小泉明郎、増本泰斗