多田圭佑

エデンの東

2018年11月21日(水) - 2018年12月22日(土)

《残欠の絵画 ♯44》2018年、木製パネル 綿布 油絵具 アクリル絵具、80.7 x 80.7 x 5.5 cm

MAHO KUBOTA GALLERY では11月21日より多田圭佑の個展「エデンの東」を開催いたします。

多田圭佑が同時並行して制作をする二つのシリーズ、「残欠の絵画」と「trace/wood」より新作を展示いたします。

2016年に制作をスタートした「残欠の絵画」の一連の作品では、果物や花、キリスト像などの象徴的な静物や仮想世界の風景を主題として、絵画の表面がひび割れ、所々剥落したペインティングを制作してきました。ヨーロッパの古典絵画のように見えるその質感はまるで作品が遠い昔に描かれ、年月を経て徐々に古びた風合いに変化してきたように見えます。描かれているモチーフには特別な意味はなく、現代に存在する事物を作家はシンプルに視覚的なアイコンとして扱っています。絵画の技法を通して作られた虚構の時間の気配がこのシリーズの蠱惑的な魅力を際立たせています。

一方、2015年に第1作が制作され、進化し続けている「trace/wood」のシリーズは、一見、木材を張り合わせて作った支持体にガラスや金属の破片をランダムに配置し、その間を絵具の色彩がつないでいるような、異素材によるアッセンブラージュ的な成り立ちのペインティングに見えます。しかしこれらの作品は実際にはモデリングペーストやアクリル絵具等、絵画を成立させるマテリアルのみで制作されており、純粋なペインティングとしての素性を保持しております。

いずれの作品も「目に映るものの正体を疑え」という強いメッセージを発しており、今回の新作展では作家の仕掛けるギミックにさらなる磨きがかかり、鑑賞者の視覚情報と認識そして概念の力学に干渉し、新たな驚きをもたらすことになるでしょう。