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テクノガーデン

ブライアン・アルフレッド

2017年9月1日(金) - 10月5日(木)

MAHO KUBOTA GALLERY ではブルックリンを拠点とするアメリカ人アーティスト、ブライアン・アルフレッド新作個展「テクノガーデン」を開催いたします。

展覧会「テクノガーデン」は大小の新作ペインティングと映像アニメーション作品で構成されます。展覧会タイトルと同タイトルとなる映像作品はゴーストリー・レコーズ所属のアメリカ人ミュージシャン、ローガン・タカハシの音楽とのコラボレーション作品となります。

テクノロジーの発展への人あくなき欲求、一方では自然との共生。現代社会を生きる私たちは常にこのふたつの要素のバランスの中で日々を暮らしています。相対するように見えるふたつは、実際には単純な対立構造にあるわけではありません。アルフレッドのペインティングに描かれるオフィスビルの風景、高速道路や絡まったコンピュータケーブル、夕焼けや森林火災、高架道路のイメージは、科学と自然が複雑な均衡をとりながら現出している私たちの現代の世界を象徴しています。 すべての事象はつながり、そのパワーバランスの均衡が崩れることで、思わぬカタストロフィーが起こることもある予測不能の未来に向かって私たちは生きています。テクノロジーのもたらすユートピアと、ディストピア。そしてすべての生命の源でもある一方、時に人智を嘲笑するように牙をむく自然の脅威。いずれの要素にも危険と美しさが共存し、その前で人類は、発展への欲望の是非を判断されず留め置かれたままにされているのです。

アルフレッドの代表作のひとつであり、彼自身の少年時代の忘れられない事件を描いた映像作品、「The Saddest Day of My Youth(一番悲しかった日の思い出)」(2011年文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞)を例にとってみましょう。この作品はアーティスト本人が少年期にテレビを通して目撃したスペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故がシンプルな形と色彩のみで描かれたアニメーション作品です。ここでもアーティストはテクノロジーを手に世界の発展を希求する人類の姿と、夢の潰えるはかなさを対比させ、強烈な印象を残すことに成功しています。自然界という与えられたステージの中でひたむきに前進を渇望する現代の人類の状況は、アーティストのキャリアを通しての大きなテーマであると同時に、そのテーマはアーティストのコントロールを離れ、時代の動きを敏感に反映し、呼応し、変容し続けていくのです。アルフレッドは私たちが生きるこの世界のリアリティを、時にカタストロフィー的な視点から、時になにげない日常へのまなざしから丹念に描き出していきます。